四畳一間じゃ狭すぎる。

初めておかん&おとんの徒然漫才日記。

コンくんの乳離れ。(前編)


突然だが、乳についての悩みは尽きない。
これまで巨乳キャラを売りにしてウケを取ったりブイブイいわせた りしてきたとはいえ、巨乳は巨乳で悩みがあんのだ。
「巨乳が悩みなんて贅沢な」
という意見は耳が腐り落ちて生え変わるほど聞かされてきた。
そりゃあ乳が大きくなりたいひとからしたら、 わたしのような悩みは贅沢極まりないことだろう。
それでも、そういったひとが乳が欲しいと悩むように、 わたしだって悩むのだ。
わたしから見たら、 DカップとかEカップくらいの非常に最高なサイズの女が
「もっとおっぱいほかった~ぁ」
なんて言っているのを聞くと、何を言いやがる、と思う。
そういうことだ。


さて、そんなわたしの乳悩みの始まりは、 小学校5年生までさかのぼる。
小学校5年生と言えば、男女の間でも体格・ 体系に違いが出てきはじめるころ。
特にも女の子は、 体つきが子どもから女性へと近づき始める最初のステージだ。
わたしも例に漏れずその成長過程を突き進んでいた女子児童の一人 であったが、もうこの時点で周りの女子との間に差を感じていた。
どう見たってずば抜けて乳がデカかったのだ。
ブラジャーだって、 誰よりも早くワイヤー入りのしっかりしたものになった。


そして一つ学年が上がり、 小学校6年生にもなってくると女の子たちはさらにマセはじめる。
周りの子たちも自分の身体の変化を目の当たりにし、 その度合いをこっそり話したり比べあったりするようになった。
そうすると、引き合いに出されるのはわたしの身体だった。
決して大人びた体つきとは言えなかったものの、 それでも明らかに肉感の違う体系だということは自分でも理解して いたし、 悪い意味ではなかったとしてもそれを話題に挙げられることはひど く苦痛だった。
中学生に上がると、それはさらに悪化する。
乳はますます膨れ上がり、 その乳は中学校から一緒になったよく知りもしない子たちにもいじ られるようになった。
まあほとんど信じてもらえないだろうが、 人見知りで友達作りもそれほどうまくなかったわたしはますます引 っ込みがちな少女になってしまったのだった。
あの頃は、 男の子たちが女の子の女の子たる体の部分に触れなかった( ウブだな)ということもあり、 同性からとやかく言われることの方が嫌だった。
体育の着替えの時なんか、格好の餌食である。
おまけに走りでもしてみろ。指をさして笑われた。
痛えーし、笑いものにされるし、 このころは特に乳が大きいことが嫌で嫌でたまらなかった。


高校生になって、長年続けていた競泳をやめたわたしは太った。
それはもうブクブクと。
今栄養を蓄えておかなきゃ死ぬんか、 というほど体は大きくなっていった。
それに伴って、乳も膨らんだ。
この頃になると、化粧を覚え、スカートの丈は短くなり、 髪の色も派手になったせいか良い意味でも悪い意味でも人の目につ くようになる。
そして中学校時代とは違い、 異性からも乳についてヤジを飛ばされるようになった。
以前からいじられ倒していたので、 同じ学校や同世代くらいの男の子になんか言われたところで別にど うってことなかったんだが、 最悪だったのは街中ですれ違いざまに飛ばされるヤジだった。
見ず知らずの男に「おっぱいでけー!」 ってバカみたいに大きな声で言われるのだ。
最近知ったんだが、 これはキャットコールと呼ばれる一種のセクハラらしい。
バカ男の拡声器で、道行く人々の視線は一斉にわたしに集まる。
嫌な汗が全身に噴出したのを今でも覚えているし、 初めてひとを殺してやりたいと思った瞬間でもあった。


そんなこんながありつつ、わたしは大学生になる。
乳のことをいじられたところで、 別に何にも思わなくなるほど図太い女に成長した。
街中でキャットコールを浴びても、「そうでしょ」 とにっこり微笑む余裕さえできた。
大学の友人たちの間ではわたしの乳がなぜか神格化されたし、 それはそれで面白かったし楽しかった。
わたしは自分の乳のデカいことを、 肯定できるようになっていったのだ。
高校生の頃にブクブクと太った体重が25キロ近く落ちて、 なおかつ乳だけ残った(何ならカップ数は大きくなった) 時なんかもう無敵だった。


乳をいじられることによる苦痛はなくなったものの、 かわいい下着がないとか肩が凝るとかオフショルが着れないとか悩 みは尽きない。
そんな中、まんまと乳に一本釣られたのが現在の恋人・ 紺氏である。
ツイッターのDMでの1年近くにも及ぶ熱烈なアピールにお応えし て、満を持して会ってみたらあれよあれよという間に恋仲になり、 そして気が付いたら赤さんまで授かっていた。
まあわたしたちの話はご用命があればそのうちお話するので今回は 割愛する。
最近のわたしの乳悩みのタネは、まさにその紺氏である。
2000字近く書いて、やっと本題だ。