四畳一間じゃ狭すぎる。

初めておかん&おとんの徒然漫才日記。

君の名は

 

「胎児ネーム」とやらをつけるのが流行っているらしく、その流行にあやかり我が腹の赤さんにも何かお名前を付けてやりた いと思っていた。
現在四か月半ば。
しばらく頭を悩ませていたものの、先日めでたくもついにお名前が決まった。
その名も「コツメ」
というのも、わたしの腹とおっぱいに妊娠線予防クリームを塗るのは紺氏の役割 なのだが、その紺氏が例によってクリームを塗布している際に突然「コツメ~ 」と話しかけたのだ。
今日の一言、と称してこれまでクリームタイムに他愛のない一言をかけていたが、名前を読んでみたのは初めてだった。
理由はあまりに単純だ。
マツコの知らない世界で特集されていたコツメカワウソの赤ちゃんがあまりにも可愛すぎたのだ。
正直、母性が爆発した。
一か月以上も悩んだわりに、結末はあっけないものだった。
そういうわけで、君の名はしばらくコツメだ。
この世に生まれくるとき、きっと素晴らしい名前をあげるから、今はこの思い付きにもほどがあるお名前を許してほしい。
父ちゃんも母ちゃんも、まだ見ぬ君が可愛くて仕方ないのだ。


可愛いと言えばところで、このあいだ急な不安に襲われた。
「 ほっぺがぱつんぱつんのおもちまるが生まれてきたらどうしよう」
というものだ。
紺氏はわたしの頬をつつきながら、それは確定事項でしょ、と冷めたセリフを吐いていたがこれは一大事なのである。
だってそんな赤ん坊、可愛くて仕方がない。
一日中舐めるように眺めまわし、隙あらばその頬袋のごとき餅をつつかされる呪いをかけられる。
紺氏はきっと、ほっぺたが落ちそうなほど膨れ上がった赤ん坊の凶悪さを知らないのだ。
バカめ。
それが我が子であってみろ。
暴力的なまでの可愛さに仕事辞めたくなるぞ。
まだまだエコー検査で顔の判別もままならないというのに、この母性の爆発ぶりも考え物ではあるが。


まあどんな子が生まれてこようと、自分の子がかわいくないわけがないのだけれど。
新生児室の窓ガラスに張り付いて「うちの子が一番かわいい」をやる自信が大いにあるわ、わたし。